ボブブログ

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君は女王蜂を知っているか

2019年になってからもう一月以上が経った。

今は、2月。まだまだ寒い日は続く。

そんな寒い日はおでんに限る。

我が家では、一度おでんを作るとその日から3日はおでんの残り物を食べる。

 

そんな3日連続でも飽きがこないおでんの中にも、あまり食べてこなかった具がある。

それはちくわだ。私は長らくおでんの具としての練り物は食わず嫌いをしていた。

しかし、外食でおでんを食べる機会があった。

残すのも悪いので、出されたちくわを食べてみると、

これが味が染みていてなんとも旨いではないか!

それまで食べてこなかったのがなんだか勿体なく感じた。

 

おでんのちくわの話はこれくらいにしておこう。 

 

さて、ここからが本題だ。 

いきなりだが今回は気分を変えて、音楽について書いてみよう。

 

私が今年度の下半期でよく聴くようになったバンドがある。

それが "女王蜂" 

 


女王蜂 『デスコ』

 

ご覧の通り、なんとも派手なヴィジュアルである。

顔や姿を隠しているわけではないけれど、メンバーの国籍や性別が不明。

見るからに普通じゃあないし、実際普通な部分を見つけることが難しい。

 

特にボーカルのアヴちゃんというお方が、ものすごい個性と才能の持ち主だ。

性別不明なわけだから三人称をどうするか迷うところだけど、

ここではアヴちゃんのことは“彼女”と表現しよう。

 

彼女が薔薇園アヴ名義で、ほぼ全ての楽曲の作詞と作曲を手掛けている。

正真正銘、このバンドのフロントマンというわけだ。

 

彼女の作る曲はどれも、これでもかという程に尖っている。 

アッパーな曲達は、上に載せたMV、初期の代表曲『デスコ』のように、

非常にダンサブルで、ライブキッズ達が所狭しと踊り狂うこと請け合いである。

 

けれど、ただそれだけではないのが女王蜂というバンドの凄いところだ。

憂いと哀愁が漂うノスタルジックな歌謡曲調であったり、

社会や個人が抱える葛藤や闇、そのアンタッチャブルな領域に鋭く切り込んだ歌詞の曲も数多く発表している。

 

それらは夜空に煌めく星より眩いネオン街のような輝きと、

深い夜の森より暗い、雑居ビルに囲まれた袋小路のようなダークさがある。

 

要するに、アヴちゃんは都市や人間が持つ光と影の二面性を内包し、

それを表現する存在なのだ。

 

一般的には忌避されがちな、いじめ・暴力・虐待・性風俗・自殺など、

TBSの「報道特集」で扱うようなテーマの数々を歌った歌詞は、

力強くも艶めかしい彼女の歌声も相俟ってどこまでも生々しい。

そういった歌詞の内容はどれもフィクションであって欲しい気持ちにさせるのだが、

この圧倒的なリアルさは、どこかの誰かの実体験を基にしたものなのだろうか……

 


女王蜂 『売春』(オフィシャルビデオ)

 

 アヴちゃんは歌声の方もジェンダーレスで、高音と低音の歌い分けが驚異的。

初見だと曲によっては男女ツインボーカルのバンドと勘違いしてもなんら不思議ではない。

この声どうやって出してるんだろう……?

曲のタイトルも『売春』のようにインパクトのある名詞をドンッ!とひとつ据えたものが多く、非常にパンチが効いている。

 

そして、女王蜂は2019年も絶好調。最新シングルも絶賛発売中だ。

曲名は火炎

 

火炎

火炎

  • 女王蜂
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

これまでにわか風情が色々と知った風に能書きを語ったが、シンプルにかっこいい曲。

和のテイストがこれまでより増していて、既存の曲とも少し違った感じもして、

バンドとしての新たな境地へ向かう予感をさせる一曲となっている。

 


女王蜂 『火炎(FIRE)』Official MV

 

最後にはなるが、正直に言って女王蜂が人を選ぶバンドなのは間違いないだろう。

かく言う私も、存在はなんとなく知ってはいたが、

なんとなく敬遠して聴いていてこなかった側の人間だ。

 

確かに私が普段聴いている音楽とは一線を画しているように思えたが、

実際聴いてみると素晴らしい。

 

Mr.Childrenサザンオールスターズみたいな万人受けはしなさそう、

ガチ勢のファンはパッと見ヤバそうな人が多そう、

そんな好みが別れそうなバンドだが、一度聴いてみて欲しい。

 

食べ物も音楽も食わず嫌いはよくない。

私はそのことをおでんのちくわと女王蜂で思い知らされた。

ちくわと比べるんじゃあない!」ってファンに怒られるかな……

 

By the way(ところで)、このブログもようやく3つ目の記事になったわけだが、

少しはブログらしくなってきただろうか……

それだけが気がかりである。